亥の刻に食べる亥の子餅とは?
今年も暑い日々が続いていましたが、日増しに寒さが増すようになり、気がつけば、秋の訪れを感じる季節へと移り変わり、朝晩は冷え込むようになりました。
さて、亥の子餅、皆さんは召し上がられたでしょうか?
イノシシの子どもの形をした特徴的なお菓子となっており、私は毎年この時期に食べるのが楽しみとなっています。
この亥の子餅を食べることには意味があるのですが、どのような意味があるのかご存じでしょうか?
食べたことがあるという方でもどういった意味があるのかというのは知らない方もいらっしゃると思います。
そもそも、亥の子餅とはどういったものなのでしょうか?
亥の子餅の歴史と共に紹介していきます。
旧暦の亥の月(現在の11月)、最初の亥の日の亥の刻に、イノシシの子のような形をした「亥の子餅」を食べると、万病から逃れると言われています。
さらに“亥”は中国の陰陽五行説で水性にあたることから、火災を逃れるという考えがあります。
このことから、亥の子の日に囲炉裏やこたつ開きをする風習ができあがりました。
亥の子餅の起源は平安時代までにさかのぼります。
亥の月(旧暦10月)の亥の日の亥の刻(午後10時頃)に食し、 無病息災のまじないとした中国の俗信に基づいて、平安時代に宮廷の禁裏にて行われたのが始まりと云われております。
紫式部の『源氏物語』では、光源氏と紫の上の巻にて、「その夜さり、亥の子餅参らせたり」と、亥の子餅が登場する場面があり、 古くは、大豆、小豆、大角豆、胡麻、栗、柿、糖(あめ)の七種の粉を入れた餅をついたと記されております。
鎌倉時代に入り、武家にも同じような儀式が広まり、イノシシは多産であることから子孫繁栄を願う意味も含まれ、イノシシの子どもの形に似せた、亥の子餅を食したと云えられております。
まもなく寒くなり大晦日にも迫る季節、猪にあやかり、亥の子餅を食べて、火災の厄除け子、孫繁栄を願ってみてはいかがでしょうか?