2つの「幸せ」と煎茶道
皆さまは、「幸せ」をどのようなときに感じますでしょうか?
私は、煎茶道のお稽古の中で、美味しいお茶を飲んだ際に、幸せな気持ちが沸き上がってきます。
また、お稽古仲間と共にお稽古やお茶会に参加した際に、満足感や幸せを感じます。
さらには、お茶会の後に、お客様から「幸せな時間をありがとうございました。」と声をかけられたことがあり、幸せな気持ちをお裾分けしていただいた体験があります。
この様に、煎茶道の世界にはいろんな場面で「幸せ」を実感できることがたくさんあります。
今回は、煎茶道と「幸せ」という言葉が持つ2つの意味に注目して、関係性について考察してみたいと思います。
①「幸福」を意味する「幸せ」
お茶には、リラックス効果やストレス改善効果があるテアニンというアミノ酸が、豊富に含まれています。
煎茶には様々なアミノ酸が含まれていますが、このテアニンは含まれている全アミノ酸の内、50%を占めています。
ストレスへの反応として起こる自律神経の活動を抑制・脳神経系の活動の正常化・自律神経の活動が緩やかになった際に現れるα波の増加、といった働きを持っていることがテアニンの特徴です。
テアニンが豊富に含まれている煎茶を飲むことによって、身体の内側からリラックスすることができ、その結果として幸福感を感じることができます。
②「仕合わせ」を意味する「幸せ」
「幸せ」と聞くと先ほど述べたような幸福ということばを思い浮かべた方がほとんどではないでしょうか?
実際、国語辞典で引いてみると、幸せの意味をとして「その人にとって望ましいこと。幸福。」と紹介されていました。
しかし、本来幸せという言葉は、「仕合わせ」と表記されていたことをご存じですか?
室町時代に誕生した言葉で、「めぐり合わせが良い」という意味で使用されていました。
しかし、江戸時代以降に「幸運な事態」のみを表すようになり、現在使われている「幸せ」へと変化しました。
煎茶道を初めて2年が経過し、これまでにたくさんの人との出会いがありました。
一つ一つがかけがえのないものであり、煎茶道によってもたらされためぐり合わせです。
これからも、めぐり合わせを大切にしながらお稽古の取り組んでいきたい所存です。
このように、煎茶道では、「お茶が持つリラックス効果から」「人との出会いから」と二つの側面での幸せを感じることができると考えられます。
ぜひ、皆さんも今後のお稽古やお茶会から、煎茶道がもたらす幸せを実感してみてください。
【参考文献】
・千年の香り千紀園千紀園公式オンラインショップ「緑茶によってもたらされるストレス軽減効果と不眠改善の効果とは」
https://shop.senkien.jp/blog/japanesetea_mentalhealth
・笹井清範OFFICIAL「幸せについて」
https://akinai-mirai.com/2023/09/01/2023090101/