鬼滅の刃に潜む日本文化
除夜の鐘を聞いたかと思えば、もう節分まであと少しですね(;^ω^)
節分の鬼退治と言えば、昨年流行った「鬼滅の刃」を思い出す人も多いのでは?
あらゆるところで「鬼滅の刃」にまつわる歌やワードが聞かれましたね。
この「鬼滅の刃」は、なんと日本最速で興行収入100億円を突破し、大人気ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」の興行収入をも上回り、歴代最高興行収入を更新し続けています。
そんな大人気アニメ「鬼滅の刃」は、
実は日本文化と密に関係していること知っていましたか?
あまり「鬼滅の刃」を知らないという方でもわかるように
今回は、分かりやすい2つの点に着目して解説していきますね
1つ目は「鬼殺隊の階級」です。
鬼殺隊というのは鬼を退治する組織のことで、
その中でも強さによって位(階級)が付けられています。
強い階級(柱を除く)から順に
「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」
となっています。
この階級は実は「十干」という日本に伝わる文化をもとに作られています。
十干とは古代中国の「陰陽五行説」という思想から生まれたものです。
これは「あらゆる万物は五行(木・火・土・金・水)でできており、さらにそれぞれが陽(兄)と陰(弟)に分かれる」という考え方です。
(例:甲=木の兄。乙=木の弟。)
さらに、この十干というものは十二支とも深い関わりがあります。
参考文献/「年中行事」(新谷尚紀監修/ポプラ社)
(例:甲=木の兄。乙=木の弟。)
十二支は一般的に干支(えと)と呼ばれますが、正確には十干十二支から干支と呼ばれ、その組み合わせからなる60を周期とする数詞のことです。
参考文献/「年中行事」(新谷尚紀監修/ポプラ社)
2つ目は「登場人物が着ている羽織の柄」です。
鬼殺隊が着ている羽織は十人十色です。それぞれ異なった模様の羽織を着ていますが、
それぞれの羽織全てに意味があるのを知っていますか?
例えば主人公の竈門炭治郎が来ている羽織の柄は「市松」と言い、「子孫繁栄」という意味があります。その理由は「柄が途切れることなく続いている」からです。
なぜ炭治郎に、この市松模様なのか。
それは、作中で
炭治郎が父から「この神楽(神様に捧げる舞)と耳飾りだけは必ず途切れさせず継承していってくれ。」と、言われたことにあると考えられます。
作品のテーマに「伝承」というものがあり、その想いが市松模様に込められているのだと思います。
もう1つ「鱗紋」という模様も紹介します。
これは正三角形を上下左右に並べている柄で蛇の鱗に似ていることから「鱗紋」と呼ばれています。
これは蛇が脱皮をすることから「厄を落とし、再生する」という意味があります。
作中では我妻善逸が着ています。
普段の弱そうな姿と、覚醒した時の姿のギャップに「再生」という意味がかけられているのかもしれません。
このように他のキャラクターの羽織にも一つ一つ意味があります。
好きなキャラクターや気になる模様があれば是非調べてみてください。
他にも、「鬼滅の刃」の中には古事記の国生みや神楽など、いくつか日本に伝わる文化が垣間見え、その由来や意味がわかるとより面白くなります。
「なぜ鬼退治の物語なのか」「なぜ鬼が毬(まり)で遊んでいるのか」など、考えながら見てみると、日本文化を知るいい機会になると思います。
もうすぐ節分、柊のとげとげの刃と豆(魔滅)播きをして、新型コロナウィルスという鬼を追い払い、一日も早く清々しい春を迎えたいものですね。