紅葉と黄葉
「こうよう」と聞くと「紅葉」という漢字を思い浮かべますよね。でも、「黄葉」と書く時もあります。違いはというと言葉の通り、葉の色が「紅く」変化する時が「紅葉」、葉の色が「黄色く」変化する時が「黄葉」と書き表します。どちらも、落葉広葉樹が落葉の前に葉の色が変わる現象のことです。また、褐色に変わるのを「褐葉(かつよう)」 と呼びます。
紅葉、黄葉、褐葉を区別することは難しく、総称として「紅葉」 と表現する事が多いみたいです。同じ種類の木でも、生育条件や個体差によって、赤くなったり黄色くなったりすることがあります。
紅葉(こうよう)
落葉時に葉が赤色に変わること。
アントシアニンと言う赤色色素が関係しています。
日照時間が短くなると葉緑素が分解されて回収され、同時に葉の付け根にコルク質の離層ができます。離層は葉と枝との物質の交換を妨げるため、葉に蓄えられていた糖分から赤色色素のアントシアンが生成されても流れずにとどまり、葉が赤くなります。
黄葉(こうよう)
落葉時に葉が黄色に変わること。
紅葉と同じく日照時間が短くなると葉緑素が分解されて回収され、もともと葉にあった黄色色素のカロチノイドが目立つようになり、葉が黄色くなります。
紅葉の見頃
8℃以下になると紅葉が始まり、5℃以下になると一気に進みます。美しい紅葉には「十分な日照時間」「昼夜の寒暖差」「湿度」など光合成が行いやすい条件が必要です。
紅葉の見ごろは9 月はじめ頃、北海道から徐々に南下します。紅葉が始まってから完了するまで約 1 ヶ月ほどです。
見頃は紅葉開始後20~25日あたりで、時期は北海道・東北地方で 10 月、関東から九州では 11 月から 12 月初旬頃までです。ただし、山間部や 内陸では朝晩の冷え込みが起きやすいために通常これより早く見ることが出来ます。
紅葉の名所には高原、渓谷、標高の高い湖沼、滝周辺、庭園、寺社、公園などにも多く見られる今では身近なものですね。
カエデ科の数種を特にモミジと呼ぶことが多く、紅葉の鮮やかな代表種になっています。
「草紅葉」の名所として四万十川や尾瀬、秋吉台。
白峯公園、河口湖、東福寺、瑠璃光院、安国寺、紅葉谷公園なども紅葉の名所として有名です。
紅葉の効果
紅葉の赤や黄色の暖色は交感神経を刺激し体を温める作用があります。
紅葉などの森林が多く見られる山にはフィトンチッドという殺菌性のある香りが漂っていて、癒しや安らぎを与えてくれます。
紅葉を眺めながらゆっくりとお茶をするとリラックスできますものね。
秋紅葉狩りにぴったりの和菓子
唐錦
唐錦は元々中国の絹織物の事です。秋の見事な紅葉の景色を織物の美しさに見立て赤、緑、黄色の三色に染め上げたこなしで包んだお菓子です。
竜田川
紅葉を表現した生菓子の「竜田」という菓銘は、昔から紅葉の名所として名高い奈良県北西部を流れる竜田川にちなんだものです。紅葉型で作ったり、凹凸で水の流れを表現していたり、断面で表現しているものもあります。
もみじ
かえでの形を赤、オレンジ、黄色などのねりきりで彩ったものが多く鮮やかで綺麗な和菓子です。寒天菓子でかえでの葉が閉じ込められた様なお菓子もあります。竜田と似たようなデザインもありますが緑の面積がかなり少ないようです。
柿
季節のフルーツの柿も和菓子で表現されることが多く、オレンジ色のものや干し柿などを表現した求肥などで包まれた白っぽい柿や、オレンジに緑が混ざった柿などお菓子屋さんにより様々な表現があるようです。馴染みのある形で練りきりや餡に見えないほどのクオリティの高いものもあります。
茶席の和菓子も、秋になると暖色系が増えます。もともと紅葉は身近な庭園に植えられておらず、山まで見に行かないといけなかったそうです。
紅葉狩りで山までハイキングをして食べるお菓子は格別に美味しそうですね。
蜜を気にせず、綺麗な紅葉を見てリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?