お茶で考える心と体の健康法
10月はあっという間に過ぎ去り、秋の季節を感じる間もなく冬が顔を覗かせ始めました。今年の冬は寒さが一段と増しそうですね。
そんな季節には暖かい飲み物で心も体も温まりたい気持ちになります。暖かい飲み物といえば,皆さんは何を思い浮かべるでしょうか、ホットコーヒー、暖かい紅茶でしょうか?私は暖かいお茶を口にしたくなります。
私たちは一年中水分を得るためにも冷たい温かい関係なく様々な飲み物を口にします。そんな中、日本で一番消費される飲料はコーヒーでもなく紅茶でもなく、お茶だそうです。それほどに飲料として日本で親しまれるお茶ですがその始まりいったいどのようなものだったのでしょうか。
お茶の発祥地は中国、紀元前2700年頃、神農(しんのう)が薬としてお茶を発見したのが始まりと言われています。
このようにお茶は初めは薬として発見され、やがて日本にも伝わりました。
実際、「緑茶を習慣的に摂取することで、男女の全死亡リスク及び心疾患、男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクの減少がみられた」という研究結果が、国立がん研究センターから発表されています。お茶に含まれる有効成分は数多く、その効能も様々です。今回はその中でも主要である5つの成分を紹介したいと思います。
カテキン
お茶の苦味と渋みを表現するカテキンには高い抗酸化作用があり,動脈硬化、がん、高血圧など近年問題視されている生活習慣病の予防に効果があるとされています。また殺菌作用もあり、口臭予防、虫歯予防、食中毒の予防にもなると言われています。
カフェイン
カテキンと同じくお茶の苦味を表現する成分で多くの人が周知している通り、眠気を飛ばしたり、脳や心臓の活動を活発化します。
テアニン
お茶の葉の部分だけに含まれており心と体のリラックス効果を発揮します。
ビタミンC
すっぱいものに含まれているイメージが強いビタミンCですが、実はお茶にも含まれており、お茶1杯分で1日に必要なビタミンC量(50mg)の10分の1を補うことができます。効能としてはがん、風邪に効くとされています。
ミネラル
お茶にはフッ素・亜鉛・マンガンなどのミネラルも豊富に含まれています。なかでもフッ素は歯の表面を強くして、虫歯になりにくい強い歯を育てるといいます。
このように心にも体にも沢山の効能を発揮する緑茶はこれからの風邪やインフルエンザが流行る季節にも力強い存在だと言えますね。
ところでみなさん煎茶や緑茶などお茶を指す言葉は数多く存在しますが、それらの分類についてご存知ですか?
本来、お茶と呼ばれる茶葉はその製造法によって不発酵茶の緑茶、半発酵茶であるウーロン茶そして発酵茶である紅茶に分類されます。
その中でも緑茶はさらに蒸し製と釜炒り製に分類され蒸し製には煎茶(さらに浅蒸し煎茶、普通煎茶、深蒸し煎茶に分かれる)玉露、かぶせ茶、蒸し性玉緑茶、番茶、碾茶(抹茶の素となる)、再加工茶(ほうじ茶、玄米茶がある)つまり煎茶は緑茶の一種ということなのです。
同じ植物からできたものとは思えないほどその製造法や淹れ方によって豊かな味わいと香り、そして色の変化を感じられるお茶、それぞれの特徴を知ってその時その時に適した楽しみ方ができればより一層お茶の良さを味わえるのではないでしょうか。
例えば朝の目覚ましには「番茶」、天ぷらや揚げ物など、脂っこい料理には「ほうじ茶」のすっきりとした味わいがベストと言われます。
二日酔いになってしまった。そんな時にはさわやかな風味の「上級煎茶」が最適です。
少し疲れたなという時にはよりスペシャル感を味わえる「玉露」はいかがでしょうか。玉露の鮮やかな色、独特の香りは疲れた心身を癒し新たな集中力をもたらします。
心も身体も癒す万能薬とも言えるお茶、ぜひ皆さんの生活の中にもお茶を飲む習慣を取り入れてはいかがでしょうか。きっとみなさん身体と心を健康に導いてくれるはずです。お茶と共に皆さんの生活が豊かなものとなることを心より願っております。
【参考文献】
・お茶のまち静岡市
https://www.ochanomachi-shizuokashi.jp/knowledge/efficacy/
共栄製茶株式会社ホームページ
https://www.kyoeiseicha.co.jp/iroha/history/